着物などを販売する際、分割の前払い契約を無許可で結ばせていたとして、奈良県警は29日、呉服店を展開する「松葉」(大阪市)の社長、松葉将登(まさと、48)=大阪府富田林市=と財務部長、田中保明(66)=兵庫県西宮市=の両容疑者を割賦販売法違反(無許可営業)容疑で逮捕し、発表した。松葉容疑者は容疑を認め、田中容疑者は「社長の指示だった。許可がいるとは知らなかった」と一部否認しているという。
奈良県警生活環境課によると、2人は昨年5月~今年4月、経済産業相から前払式(まえばらいしき)割賦販売業の許可を得ていないのに、きもの松葉奈良本店(奈良県橿原市)など10店で男女17人に計26回、着物や貴金属の代金(合計約1672万円)を分割で前払いさせ、販売した疑いがある。
前払式割賦販売では商品が引き渡されないなどのトラブルを避けるため、販売額が年間1千万円以上の場合は経産相の許可がいる。
県警によると、松葉は大阪、兵庫、奈良、和歌山の4府県に26店を展開している。昨年5月から今年4月までの前払式割賦販売による契約は約1280件、販売額は計約5億8千万円に上るという。
各地の消費者センターなどには、長時間勧誘されたり、キャンセルを妨害されたりといった同社をめぐる相談が15~20年に計約400件寄せられ、県警が捜査していた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル